運転初心者が「怖い!」と感じる場面の克服方法 駐車、右折、合流ほか

がんばって免許を取ったはいいものの、運転が不安でなかなか道路に出られない……そんな「もったいない」を解消するため、これまで「のるウェイ!」は数回にわたって「運転のコツ」を発信してきました。

今回は、駐車や右折といった初心者が「苦手意識を感じやすいシーン」について、場面ごとの対処法をおさらい。過去の記事も掲載していますので、特に苦手なポイントはぜひ参照してみてくださいね!

交差点での右折、苦手だわ……

バック駐車

車で出かける際、どうしても避けられないのが駐車の作業です。それなのに、教習所でバックの方法を教わる時間はごくわずか。「駐車が怖くてどこにも行けない」という悩みは珍しくありません。

でも大丈夫! 以下では教習所の外でも通用する「駐車のコツ」について、わかりやすくお伝えします。

駐車はバックする前の「姿勢づくり」で決まる

スムーズな駐車の第一歩は、駐車スペースを見つけるところから。なるべく枠に対して「ナナメの姿勢」をつくれるような場所を見つけ、バックしやすい状況を確保することが大切です。

スペースに余裕のありそうな場所を見つけたら、ハザードランプを点け、ゆっくり駐車枠の方へと車を寄せましょう。一旦停止して、駐車枠の近くに人がいないか、駐車枠に輪留めがあるかなどを確認します。

その後ゆっくり前進しながらハンドルを切り、「車の後方が駐車枠の入り口を向くような姿勢」をつくれば準備OK!

アクセルは踏まず、サイドミラーで左右を確認

後退時にはアクセルを踏まず、いつでも止まれるように「ブレーキだけ」で速度調節するのが基本です。

左右の間隔は主にサイドミラーで確認しますが、その際は「ミラーを見る順番」にも気をつけましょう。バックしはじめてから、最初にぶつけやすいのは「内側の後方(ハンドルを切っている側の後方)」ですから、まずはミラーで内側の間隔を確かめましょう。

次にぶつけやすいのが、「外側の後方」です。「内側がひとまず大丈夫そうなら、外側を確認する」という流れを意識するとよいでしょう。

不安なときは「窓開け」と「ミラー下向き」で確認

後退中、隣の車や障害物との間隔がわかりにくいときは、運転席側であれば「窓を開けて目視」すると状況がよく見えます。ちなみにタイヤの向きがわからなくなったときも、少し頭を出せば確認できますよ。

バック駐車は目視で確認すれば安心です
目視でもしっかり確認すれば安心です

助手席側は「サイドミラーの角度を下向き」にすると、左後ろの間隔が掴みやすくなります。左側に誰かを乗せているのであれば、そちらの窓からぶつからないかを見てもらってもいいかもしれません。

また最近はバックカメラ(※2024年11月以降すべての新型車・継続生産車への装着が義務化)も使いやすくなっているため、必要に応じて活用していきましょう。

★ワンポイントアドバイス
駐車の際は後ろから車が来ていても、焦る必要はありません。ゆっくり落ち着いて、状況がわからなくなったら一旦停止し、「車が今どうなっているか」を確認してみましょう!

交差点での右折

運転に慣れていないドライバーにとって、ハードルになりやすいのが交差点での右折でしょう。途切れそうでなかなか途切れない対向車に、なんだか後続車のイライラが伝わってくるようで……。

思わずナビに「右折はさせないで!」と祈りたくなりますが、恐れる必要はありません。しっかり「確認すべきポイント」を押さえておけば、冷静に対処できるはず。 

「奥の方にいる対向車の動き」を見る

右折のタイミングを見きわめるには、対向車との「距離」はもちろん、「速度」にも注意することが大切です。

速度を把握するには、目の前に来ている対向車だけでなく、その後に続く数台の動きにも目を配ってみましょう。一見距離が空いていても、どんどん間隔が詰まってくるようなら要注意!

待っている間も「曲がった先の状況」をチェック

右折待ちをしている間、対向車にばかり意識を向けていると、曲がった先の歩行者などに気づくのが遅れてしまうかも。

なるべく右折を待っている段階で、対向車や信号だけでなく、「曲がった先がどうなっているか」をちらちら確認しておきましょう。特に右折先の横断歩道周辺はじっくりチェック!

「対向車の影」に隠れたバイクや自転車に注意

対向車がストップして譲ってくれた場合にも、焦って進むのはNG。止まった車の影から、バイクや自転車が飛び出してくるかもしれません。

「バイクが来るかも……」と不安な場合には、すぐに止まれる速度で右折を開始し、一度「対向車線の死角がしっかり見えるポイント」まで車を進めてみるとよいでしょう。

確認しておくべき情報が多い交差点での右折。でも落ち着いて臨めば大丈夫
確認しておくべき情報が多い交差点での右折。でも落ち着いて臨めば大丈夫

対向車の影や横断歩道の安全が確認できれば、もう安心。すみやかに交差点を抜けましょう。

★ワンポイントアドバイス
右折時には「チェック必須」のポイントがたくさん。「迷ったら待つ」という意識で、周囲の状況をじっくり注視しましょう。

合流

せっかく免許を取ったからには、車で遠くまで旅行してみたいもの。しかしそんな気分に水を差すのが、高速道路などでの合流です。

ビュンビュン駆け抜けていく合流先の車、怖くて確認もおろそかなまま、「運任せ」で車線変更……これでは命がいくつあっても足りません。

大切なのは、怖がらずにしっかりと目を開くこと。「冷静になれば何でもなかった」なんてこと、人生でもよくありますよね。

速度のギャップをなくす

合流時の危険な状況は、合流する側の「速度不足」によって起きることもしばしばです。あらかじめ「合流先の車の速度」と近づけておくことで、車線変更のタイミングを合わせやすくなります。

合流車線で十分加速するには、あらかじめ前を走る車との車間距離を確保しておくことが大切です。加速用の直線に入る前から、余裕をもって間隔を空けておきましょう。

どこに入るのかを見きわめておく

スムーズな合流のポイントは、なるべく早い段階で「この車の後ろに入ろう」と目星をつけておくことです。

「どこに入るか」を判断するためのポイントは2つ。合流先の車列のなかから、「自分の車が入れるスペース」があり、かつ「合流地点でのスピードが同じくらいになる」ような車が見つかれば、もう怖がる必要はありません。

合流の意思をしっかり示す

入りたい場所をある程度絞ったら、早めにウインカーで車線変更の意思を示しましょう。ここで大切なのは、ウインカーを出してから少しの間、「合流先の車の動き」を確認することです。

「自分の車が入れるスペース」と「合流地点でスピードが同じくらいな車」をチェック
「自分の車が入れるスペース」と「合流地点でスピードが同じくらいな車」をチェック

ウインカーを出したあと、もう一度サイドミラーと目視で合流先の後続車をチェック。ウインカーを出したときと比べて車間が詰まったりしていなければ、ゆっくりハンドルを切り、車線を移していきましょう。

★ワンポイントアドバイス
車線を移すのがギリギリになると、それだけ危険も大きくなってしまいます。合流車線では怖がらずに加速し、すみやかに「どこに入るか」を決めましょう!

狭い道でのすれ違い

住宅地や山道など、日本には狭い道がたくさん。「1台通るのがやっと」という道で、もし対向車に出会ってしまったら……一見パニックになりそうな状況でも、落ち着いて対処すれば大丈夫!

困ったらなるべく左側に寄せてストップ

すれ違いのポイントは、「道路の広さ」と「相手の動き」をしっかり見きわめること。状況を見ないまま「どうにかなる」と進んでしまえば、道路の一番狭いポイントで対向車と行き当たり、互いに動けなくなってしまうかも。

まずは状況を整理するため、対向車を見つけたら「早めの減速」を徹底しましょう。サッとすれ違えないようなら、できる限り左側に寄せて停車させ、周囲の状況を整理するのが得策です。

互いの車の状況さえ把握できれば、あとはゆっくりとすれ違うのみ
互いの車の状況さえ把握できれば、あとはゆっくりとすれ違うのみ

すれ違えるポイントを探す

車を一度止めたあとは、すみやかに「すれ違いに適した場所」を探します。道路の幅や障害物の有無を考えながら、「自分があそこに行けば相手が通れる」という動きをイメージしてみましょう。

対向車側にしか退避スペースがない場合には、しばらく相手の動きを待ってみます。もし相手が動かないようなら、その退避スペースの手前まで自分の車を動かして止まり、「ここならすれ違えるよ」とさりげなく促してみると、効果があるかもしれません。

なお、山道などで2台分の幅が確保されていない道路を走るときは、ちょくちょく「比較的幅が広くなっているポイント」をチェックしながら走っておくと安心です。

対向車が来たときに前方にちょうどいいスペースがなくても、「あそこならすれ違える!」とバックする選択肢があれば、心にも余裕が生まれます

すれ違うときの車体は「まっすぐ」をキープ

対向車とすれ違う際に車体が曲がっていると、余分に幅をとってしまい、すれ違いのスペースが少なくなってしまいます。

特にすれ違う直前にハンドルを切ってしまうと、車体が斜めになりやすいので注意が必要です。なるべく手前の方から左側に寄せはじめ、少しずつハンドルを調整し、まっすぐの姿勢をつくっておきましょう。

それでもギリギリになる場合は、一度ドアミラーを畳んでしまってもOK! 「ぶつかるかも」と思ったら、とりあえず停車し、相手が通過するのを待つのもよいでしょう。

ギリギリな場合はミラーを畳んじゃいましょう!
ギリギリな場合はミラーを畳んじゃいましょう!

車幅感覚を掴むためには……

いざというとき困らないよう、日頃から車幅感覚を掴むための練習をしておくと、ドライブの安心感につながります。

たとえば車が止まっている状態で、家族や友人に「車体の左前方ギリギリ」のところに立ってもらい、「距離感」と「運転席からの見え方」を把握していく方法が効果的。

あるいは、慣れないうちは車の左前方に「コーナーポール」という棒状のアイテムを装着するのも有効です。「どこまでが車体か」が運転席からも一目瞭然になり、そのうちポールなしでも感覚が掴めるようになっていきます。

 

★ワンポイントアドバイス
すれ違いで大事なのは、対向車とのコミュニケーション。車幅感覚が身につけば、いっそう余裕をもって相手の動きに合わせられるようになりますよ。

  • Writing: 鹿間羊市

頼む。落ち着いてくれ……。

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