「安全不確認」が交通事故の原因? うっかり事故の対策方法を解説

のりかちゃんの安全運転講座では、車のあらゆる統計情報を元に、さまざまな場面で起きる不安を解決するヒントをお届けします。

第2回目は、安全不確認

安全不確認とは、一時停止や徐行をしたものの、十分な安全確認をしなかったため車両や歩行者を見落としてしまったり、発見が遅れたりすることをいいます。

運転初心者の頃は安全確認を“うっかり”忘れてしまう、運転に慣れてきたら、いつもは確認していた項目を“慣れ”で飛ばしてしまう……。うっかりや慣れで見落としてしまったそのときに、事故の危険は潜んでいるかもしれません。この記事で安全に関するコツを掴みましょう!

またスマホ見てるのか……。

安全不確認あるある? こんな経験あったような……。

しっかり注意していたはずなのに危なかった! こんな経験、みなさんにもあるんじゃないでしょうか?

「歩行者はいない! と思ったら自転車がきていた……」

左折時、歩行者がいないことを確認して左に曲がろうとしたら、後ろから自転車がきていた……。こんな経験をしたことはありませんか?

自転車は歩行者よりもスピードが出ています。たとえ、歩行者がいなかったとしても、自転車がさらに後ろを走行していないか、確認する必要があります。

「歩行者はいない! と思ったらピラーやサイドミラーに隠れていた!」

右折するとき、歩行者がいないことを確認したのに、なんとピラー(※)やサイドミラーに隠れて見えなかった、ということがあります。

死角に入ってしまうと発見が遅れてしまうので、「もしかしたら人が隠れているかも?」と危険予測しながら運転をするようにしましょう。

(※)自動車の窓枠から延びている柱

「カーブミラーにうつっているものの、まだまだ遠い! と思っていたらすぐそこにいた……」

カーブミラーに頼りすぎず、徐行や目視で確認

「見通しの悪い交差点で、カーブミラーを確認したところ、人や車両がまだまだ遠くにいたので大丈夫だろうと思って発進したら、すぐそこにいた」という経験、したことがある方もいるのではないでしょうか?

カーブミラーは実物より小さくうつってしまうほか、左右がわかりづらかったり、死角があったりといった欠点もあります。カーブミラーで確認できても、目視での確認も怠らないようにしましょう。

「車の後ろから、バイクや自転車が飛び出してきた!」

車は止まってくれているのに、その車の後ろからバイクや自転車が飛び出してきて、びっくりしたことはありませんか?

車で死角になっているところに、歩行者やバイク、自転車がいるかもしれません。「もしかしたら……」という想像をしながら運転しましょう。

安全不確認に陥らないための4つのコツ

トラブルに陥らないために必要な安全確認のコツを4つご紹介。少し覚えておくだけで、安全確認が上手になり、事故を減らすことができます。コツを一つずつ確認して、落ち着いて安全確認しましょう。

1. 急いだり焦ったりしない。どうしても気持ちが収まらないときは運転しない!

安全不確認の原因として「運転手の焦りやいら立ち」が挙げられています。焦っているときや怒っているとき、運転や安全確認が雑になってしまった経験がある人もいるかもしれません。

同じ距離を焦って運転した場合と、落ち着いて運転した場合、実は運転時間に大きな差がなく、焦っても時間短縮効果が少ないことが調査でわかっています。同じ時間なら、落ち着いて運転したほうがいいですよね。

【大手町~鶴見間の22kmを2通りの速度で走行した場合の走行時間検証データ】

急ぎ、焦りは安全不確認につながり、リスクも大きい
出典:急ぎ運転の効果とリスク

どうしても焦りやイライラが収まらない場合は、公共交通機関を使うなど、思い切って運転をやめましょう。

2. 交差点での死角に注意!

右折をするとき、対向車のかげに死角ができ、死角にいるバイクや自転車に気づかない場合があります。死角があることを十分に理解し、「もしかしたら」と予測して運転することが大切です。

3. 駐車の安全確認に注意!

駐車場内で、特に後退中の事故が多い
KINTOの事故実績。2022年6月1日~2023年5月31日の全過失事故が対象

KINTO車両の事故の36%が駐車場内で起こっているというデータがあります。また、そのうち後退中の事故が最も多く31%です。

駐車場は私有地であることが多く、交通規制が原則ありません。駐車スペースを見つけた車が周囲の安全確認をせずにいきなり後退しようとする車がいたり、歩行者が多いため安全確認が難しかったり。公道よりも油断する運転手や歩行者がいるので注意が必要です。

4. ながら運転をしない

スマホ・携帯電話を使用しながらの死亡事故発生率は、使用しなかった場合と比べて約3.8倍であることがわかっています(※)。

手で操作していなくても、画面に気を取られ安全確認を怠ってしまう場合があります。スマホは手が届かない後部座席などに置いておくようにしましょう。

(※)警察庁:やめよう!運転中のスマートフォン・携帯電話等使用

5. 眠いときに運転しない

眠いときは、注意散漫になり安全確認を怠ってしまうことがあります。特にランチを食べた直後や、寝不足が続いているときなどは注意。眠いときは運転しないようにしましょう。

安全確認のコツがわかるオススメ動画

コツはわかったけど、まだ不安……という人もいるかもしれません。

そんなときは、動画を見ながら安全確認のイメージを膨らませてみるのもオススメ。文字だけではわかりづらい部分も動画なら安心。確認すべきステップを押さえながら、安全確認に対する不安を解消していきましょう。

安全不確認の事故が多いのはなせ?

人は、認知・判断・操作を繰り返しながら自動車を運転していますが、人の能力には限界があるからです。例えば、瞬間視力による認知については、一般的な方で1秒間に4個程度の認識が可能であり、動体視力に優れたスポーツ選手で6個程度といわれています。

16~24歳の若年ドライバーが2021年中に起こした事故のうち、認知の誤り(発見の遅れ)による事故が占める割合は、約72%です。

過信せず、常に注意を払い、慎重な運転を心がけましょう。

関連リンク

やめよう!運転中のスマートフォン・携帯電話等使用|警視庁

【正しい左折方法】安全確認の手順を徹底解説!|A&Eペーパードライバーズスクール

【右折が苦手な方必見】右折の基本を徹底解説!|A&Eペーパードライバーズスクール

  • Writing: のるウェイ! 編集部

安全不確認のポイントを認識して事故を減らしましょう!

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