のりかちゃんの安全運転講座では、車のあらゆる統計情報を元に、様々な場面で起きる不安を解決するヒントをお届けします。
記念すべき第1回目は、駐車。
バック駐車(車庫入れ)が難しすぎる……誰しも運転中にそう感じた瞬間があるはず。
「数をこなせば慣れると」は言うものの、車を運転するならば駐車は必須。苦手意識を抱えたままで、行きたい店に行けないなんてもったいない! この記事で駐車に関するコツを掴みましょう!
駐車場あるある? こんな経験あったような……。
「公道と比べて車もゆっくりだしスペースもあって、駐車場は気がラクだわ」
そう思うのは、車の運転に慣れた人だけ。初心者にとって不安だらけの駐車場は、運転する上で避けられない問題。駐車するために急に止まる車、車の影から出てくる歩行者、さらにはそもそもバックでの駐車ってとっても難しい! ──そんなあるある集めました。
「ハンドルを右いっぱい! 左いっぱい! 次は右! あれ、今なにしてるんだ……」
右に左にハンドルを何度も回す。いわゆる“切り返し”を繰り返してしまう経験、ありませんか?
必要以上に切り返しをやりすぎると、他の車との間隔や自分の車の位置がわからなくなってしまいます。気がつけば、駐車するのにかなり時間をかけてしまった……そうならないために、なるべく切り返しは必要最低限に、効果的に、を意識して駐車しましょう。
「タイヤの位置がわからない」
切り返しにも共通するのがハンドルの位置。何度も回したために、ニュートラルな状態がわからなくなってしまうことも。ハンドル位置を見失うと、タイヤをまっすぐな状態に戻せないまま、駐車枠に対して斜めに入ってしまいます。ハンドルの位置をしっかり覚えておくことが大切です。
「よし、駐車できた! でもドアから出られない」
駐車できたものの、左右どちらかのスペースが広がってしまう。両サイドに壁や車がある場合、均等に駐車しないと障害物との距離が近すぎてドアを開けられなかったり、コインパーキングでロック板が上手く利用できなかったり。左右のスペースへの意識配りもお忘れなく。
知っておくべき駐車のコツは4つ
トラブルに陥らないために必要な駐車のコツを4つご紹介。一見大変そうだけど、ちょっとした意識の配り方で、ぐっと安心・安全な運転に。焦る必要は全くなし! コツを一つずつ確認して、落ち着いて駐車していきましょう。
1.後退して止めるときはハザードランプを点け、一旦停止しよう
「早く駐車をしなくちゃ!」と思って駐車スペースを探すことについつい集中しちゃいませんか? そんなときほど、一旦停止。慌てず探しましょう。
またバックで駐車するときは、後続車への合図としてハザードランプを点けて、また一旦停止。周囲の安全確認を確認しましょう。もし駐車スペースの隣の車にドライバーがいるなら、外に出てこないか、発進しようとしてないかなど、動向をよく観察しておくと◎。
2.ゆっくりでOK! 十分な車間距離をとり、すぐに止まれる速度で走行を
駐車場内では、前の車が駐車スペースに入れようと急に停止・後退したり、不意に歩行者が現れたりすることも。車間距離を十分にとり、すぐに止まれる速度で走行しましょう。駐車中にアクセルを踏みすぎちゃうのが怖い方は、そもそもアクセルを踏まなくてもOKです! アクセルを踏まなくても、車がじわじわ動く“クリープ現象”を活用しましょう。興味がある方は調べてみてくださいね。
3.意外と知らない? サイドミラーの効果的な使い方
駐車をするときに、意外と忘れてしまうのがサイドミラーの存在。見てはいるけど動かせることを忘れがちです。
駐車をする直前、サイドミラーの位置を通常よりも下に向けて調整すると、駐車するラインがはっきりわかるようになるので動作もスムーズになります。まだやったことがない方は、ぜひ一度試してみてください!
4.慣れてないときは、思い切って窓から確認しちゃえ!
ミラーだけに頼らず、窓からも直接確認すればより安心です。
そのときはいつでも止まれるように、なるべくアクセルを使わず、足はブレーキペダルの上に。ただし、確認のために身体を後方に向けていると、ペダルに乗せている足の位置がずれることがあるので要注意です。周囲の状況は刻々と変化します。一点に集中しすぎず、何点か確認するようにしましょう!
ちなみに、ギアをリバースに入れた後、すぐバックせず周囲を確認する時間をつくるのもコツの一つです。
駐車場に行きたくないと思った時におすすめの動画
コツをわかった! でも駐車怖い! 車庫入れ駐車は避けたい! という人がいるかもしれません。
そんなときは、動画を見ながら駐車のイメージを膨らませるてみるのもおすすめ。文字だけではわかりづらい部分も動画なら安心。確認すべきステップを押さえながら、駐車に対する不安を解消していきましょう。
駐車場でトラブルが起きるのはなぜ?
駐車場では道路のような交通規制がないため、駐車スペースを見つけた車が周囲の安全確認をせずにいきなり後退しようとしたり、駐車スペースを探しながら走行していたりと、不規則な動きをする車が多くなるからです。
駐車スペースに入る、スペースから出ていくときは、周囲の安全確認を行いながらペダルやハンドルの操作を正確に行わなければなりません。
複雑な作業で、注意が散漫になりがちなことに加えて、歩道と車道の区別がないため、乗り降りで歩行者が不意に車の近くを通るなど、歩行者の行動を予測することも難しくなります。
KINTO車両の事故の約35%が駐車場内、そのうち後退中の事故が最も多く約30%(※2022.1~2022.12の事故情報)。「感覚でわかる」「慣れる」といっても、そうなるまでの期間に不安はつきもの。正しい知識で補っていきましょう。
駐車場で起きる事故は交通事故全体の約5%!