こんにちは! みなさん、ゲームはやってますか?
ゲーム実況が流行しだしてからもう何年か。自分で遊ぶ以外に、人気配信者やバーチャルYouTuber(VTuber)が遊んでいるところを見るというのも、すっかり当たり前になりました。
この記事を読んでいるみなさんの中にも、学生時代からゲーム実況を見ていたという人は多いんじゃないでしょうか?
ところで……そんなゲーム実況の世界で最近、クルマも大活躍するとあるゲームが流行しているのをご存じでしょうか?
そのゲームというのは、ロックスター・ゲームスが開発する『Grand Theft Auto V(GTA5)』です!!!
配信者のしょぼすけさんが主催する『GTA5』を使った企画「ストグラ」は、数百人の配信者が参加し、数万人単位の視聴者が固唾をのんで見守る人気コンテンツ。
今回は、クルマ好きのみなさんへ、クルマを軸に「ストグラ」の魅力を紹介します。
史上2番目に売れたゲーム『Grand Theft Auto V』
『GTA5』は、ロックスター・ゲームスが開発する人気シリーズの最新作。
ギャングやマフィアといったアメリカのストリートで生きる住民たちを描くゲームで、銀行強盗や抗争などを通してアウトローたちの世界を体験することができます。
舞台となるのは、ロサンゼルスをモデルとした架空の街「ロスサントス」。ゲーム本編では、それぞれの理由で集った3人の主人公を軸に物語が展開されます。
2013年に発売されて以来、世界で1億9000万本を売り上げており、その記録は『Minecraft』に次いで世界中の全ゲームの中で2位にランクインするほど。1位である『Minecraft』が教育などにも取り入れられていることを鑑みれば、2位の『GTA5』もどれだけ広く遊ばれているのかが伝わるでしょうか。
「GTA」シリーズからは、2025年に10年ぶりとなる新作『Grand Theft Auto VI』が発売されることも明らかに。今、改めて「GTA」への注目が高まっています。
リアルタイムで紡ぎ出されるドラマ「ストグラ」
現在のゲーム配信における『GTA5』の盛り上がりの中心にいるのが、配信者のしょぼすけさんが主催する企画「ストグラ」です。
正式名称を「ストリートグラフィティ ロールプレイ」というこの企画では、その名の通りロールプレイ、つまり別人として振る舞うことが重視されています。
【#ストグラ ってなに?🧐】
— ストグラ運営 (@STGR_RolePlay) October 25, 2023
『ストリートグラフィティ ロールプレイ』略して『ストグラ』
GTA5というゲームを元に制作された、仮想都市”ロスサントス”で自分の分身となるキャラで第二の人生を生きる、
メタバース ✕ ロールプレイ の新感覚コンテンツです✨#ストグラ紹介 pic.twitter.com/oEeiOh3y7X
招待された人だけが入れる『GTA5』の特設ワールドを訪れた参加者たちは、現実とは違うもう一つのゲーム世界・ロスサントスの住民として企画に参戦。警察官になったり、カーディーラーになったり、ギャングになったりと、それぞれのやりかたで、自由に街で生活していきます。
その中では、突発的なやり取りから恋が生まれたり、逆に因縁が生まれてギャング同士の抗争に発展したりといったドラマが生まれていきます。
「みんなが主役でみんなが脇役。この街の全員で紡いでいくストーリー」というコンセプトが表しているように、配信を通してリアルタイムで生まれていく台本の無い物語を楽しむことができます。
ラッパーからVTuber、声優まで業界を飛び越え400人以上が参加
この記事を書いている時点で、「ストグラ」への累計参加者数は400人以上。
人気声優の中村悠一さんやラッパーのralphさん、nqrseさん、配信者のSHAKAさん、らっだぁさん、VTuberの叶さん、ローレン・イロアスさんなど、業界を飛び越えて様々な人が集まっています。
ストグラ内で注目されている人の配信には、5万人以上の「観測者」※が集まることも。配信者たちが紡いでいくドラマに多くの人がひきつけられています。
※ストグラでは失敗やトラブルも一つの物語として尊重すべきだとされており、視聴者がコメントなどで配信者に干渉することが推奨されていません。そのため、あくまで物語を観測する人という意味で「観測者」と呼ばれています
リアルな職業体験がドラマを生む
「ストグラ」のドラマを支えているのが、ロスサントスという街自体のつくりこみです。
ワールドの構築にはCfx.reというチームが制作したマルチプレイ用サービス「FiveM」が採用されているのですが、これが超が付くほどの優れモノ。
拡張性が高く様々な追加コンテンツを導入でき、自分たちだけの世界を構築できるとあって、世界で人気に。ついにはロックスター・ゲームスがCfx.reチームとの提携を発表するなど、公式からも認められるほどのクオリティを誇っています。
「ストグラ」ではMOD(有志が作った改造データ)を導入することで、警察官であれば現場に残された指紋や血痕から犯人を特定できたり、警察無線で連携を取りながら犯人を追いかけたりと、リアルな職業体験が可能に。
その他には、たとえばカーディーラーであればクルマの仕入れ、メカニックであればエンジンから塗装、ホイールまでに及ぶ細部のカスタマイズ、飲食店ではオリジナル商品の開発など、それぞれの職業に応じた体験が楽しめます。
この高いつくりこみがあることで、操作になれずあたふたする新人が生まれたり、それを導くベテランの職人がいたりと、それぞれの物語を生み出す土壌になっています。
ドラテクが光るカーチェイスに注目
「ストグラ」の中でも重要なイベントの一つになっているのが、ギャングによる強盗です。
小さなものではコンビニやATMから、大きなところでは厳重な警備の敷かれたメガバンクや豪華客船まで、ロスサントスには強盗のためのスポットが多く用意されています。
その強盗において見どころとなるのが、犯人と警察官によるカーチェイス。
強盗たちにとっては、「そんな道を逃げるの!?」といった知識や磨き上げたドライビングテクニックを披露する大きな見せ場。クラッシュ覚悟で車体をぶつけてでも止めにかかってくる警察官たちから逃げるべく、愛車を駆る様は必見です。
大がかりな強盗ともなれば単独での犯行は難しく、大規模なチームを結成したギャングと、それを取り締まろうとする警官たちによる銃撃戦が繰り広げられます。そんな鉄火場から抜け出す際や、追いかけてくる警察を振り切る際にも、重要になってくるのがクルマなのです。
強盗を成功させた暁には、その収益で愛車をさらにカスタマイズ! 良いクルマに乗っている人がいたら、それは実力があることの証左になります。
免許センターまで存在、クルマに関するつくりこみがすごい
犯罪以外にも、クルマは「ストグラ」の各所で街の生活を彩っています。
例えば、「ストグラ」内ではクルマの運転免許が発行でき、教習所まで存在しています。教習所では、ゲーム内で起きた事故の映像を編集した交通安全ビデオまで流れており、講習を受けることができます。
『GTA5』の本編では、その辺を走っているクルマを止めてカージャックするのはよくあること。けれど、「ストグラ」はより緻密に作り込まれています。街に新たに訪れた住人たちはこの講習を受けることで、この「ストグラ」の世界が『GTA5』とはまた違った物なのだということを意識することになります。
また、クルマはファッションアイテムとしての役割も果たしています。
塗装によって独特のデザインになったクルマは、その住人を象徴するアイテムに大変身。カッコいいカスタマイズで颯爽と街を駆け抜ける人もいれば、渋谷を走っているような宣伝カーを自作する人まで、それぞれの個性が溢れています。
クルマを愛する参加者たちを紹介
「ストグラ」の魅力やクルマが果たしている役割を紹介したところで、ここからはクルマにフィーチャーして参加者を紹介していきます。
クルマを愛しすぎた男、鈴木ノリアキ
「ストグラ」とクルマで外すことができないのが、「Call of Duty」シリーズのプロシーンで選手や解説として活躍してきた鈴木ノリアキさん。
ゲームコミュニティVaultroomが開催した『GTA5』の別イベント「VCR GTA」でクルマの魅力に取りつかれてしまった彼は、その後「ストグラ」にも参加。BIG SUZUKIとして初めて街を訪れた日には、他のコンテンツには目もくれずカーディーラーに直行しカタログを眺め続けるなど、クルマへの深い愛を見せます。
その後は、メカニックとして着実にキャリアを伸ばした後に独立。整備工場「BIG Automotive Design(B.A.D)」を立ち上げ、こだわりのカスタムで人気を獲得。
スポーツカーよりも角ばった旧車を愛し、ドリフトテクニックの追求に勤しむ姿はまさに往年のクルマ好き。そのクルマへの愛は、免許を持っていないのに現実で実際にクルマを購入してしまうほど。
現在は無事免許を取得し、時折都内を走っているそうです。
屈指のドラテクを誇るあどみん
もう一人、クルマ関連で外せないのがプロゲーミングチーム「父ノ背中」に所属するあどみんさん。
「ストグラ」にはアドミゲス・ハンとして参加し、タクシー会社の菖光會、そして菖光會をフロント企業とするギャングチームIRiSに所属しています。
参加者の中でも屈指のドライビングテクニックを有しており、その実力はレースランキングで1位になるほど。パトカーを盗んで逃げた際は、5台以上のパトカーに追いかけられながら街中を逃げ回って見せるなど、驚異のテクニックを見せつけました。
強盗をしながら警察官にクイズを出したり、急にかくれんぼを始めたりと、一風変わった犯罪スタイルでも注目を獲得。IRiS内ではボスの不在時に行動の指針を決めるアンダーボスに就任するなど、さらなる活躍が期待されます。
街のクルマ事情の中心人物、Cool武士
続いて紹介するのは、ニコニコ動画の人気旅動画「ぼくらは新世界で旅をする」への出編などで知られる配信者のCool武士(くるぶし)さん。
「ストグラ」には肉とクルマが好きなジャーク 武士として参加しています。
参加初期には、クルマやバイクを購入するべく、コンビニや牧場など様々なバイトを掛け持ち。その後、大手整備工場「Project Y」の2代目社長に就任し、多くの従業員を率いてきました。
さらに、クラシックスポーツカーのショップ「ClassicSport J's」のオーナーとなったり、街の整備工場やカーディーラーを取りまとめる車両協会の会長に就任したりと、街のクルマ事情の中心人物となっていました。
2023年末には、「Project Y」の経営に悩み、後進に社長を譲るべきか、やっぱり仕事を放り出すべきではないのか、岐路に立たされます。結局、工場が街の歪み(バグ)の原因となってしまっていたため、運営から移転を要請されたのを機に「Project Y」の解散を決定します。
『Grand Theft Auto』といえばニコニコ動画っていう時代はもう終わったんだね…