「ウーヴン・シティ」とは、「トヨタ自動車が静岡県裾野市に建設している未来の実験都市のこと」です
アイドリング、クラッチ、サスペンション、ステアリング、トランスミッション、ハイブリッド車、4WD……クルマに関する専門用語や略称には、ちょっと覚えにくかったり、ややこしかったりするものがたくさん。
また、聞いたことはあっても、なんとなくしか意味を理解していない人も多いのではないでしょうか?
そこで「のるウェイ!」編集部が、クルマの専門用語・略語をご紹介!この記事は1分程度で読めます!!!(嬉しい)
今回解説するのは「ウーヴン・シティ」です。
ウーヴン・シティとは

ウーヴン・シティって何?
最近ニュースでも改めて取り上げられていましたが、「ウーブン・シティ」という言葉を初めて聞く方もいるかもしれません。これは、自動車メーカーであるトヨタが、静岡県裾野市の工場跡地で建設を進めている、「未来の暮らし」を実現するための実験都市です。
単なる新しい住宅地ではなく、最先端の技術を私たちの日常生活に取り入れたら、どれだけ便利で快適になるかを実際に試すための場所だと考えると分かりやすいでしょう。
1. 「ウーブン・シティ」という名前の由来は?
「ウーブン(Woven)」という言葉は、英語で「織り込まれた」という意味です。
トヨタの原点: トヨタグループは、もともと「自動織機」(機織り機)を発明したことからスタートしています(豊田自動織機)。その原点にちなんでいます。
街の構造: この街には、さまざまな種類の「道」が、まるで糸のように複雑に、そして美しく「織り込まれて」設計されています。
→「多様な技術や人々、道が一つに織り込まれて、より良い未来をつくる」という想いが込められています。
2. ウーブン・シティで何を実験するの?
この街の大きな目的は、「未来の当たり前」になるかもしれない技術やサービスを、実際に人が住みながら試すことです。
① モビリティ(移動)の進化
3種類の道: 街の道は、用途に応じて3つに分けられます。
・高速移動用道路: 自動運転車や物流専用車だけが走る道。
・低速移動・共用道路: 自転車や電動キックボードなどのパーソナルモビリティと、人が一緒に歩ける道。
・歩行者専用道路: 公園のような自然に調和した、人がリラックスして歩ける道。
この設計により、安全でスムーズな移動と、歩行者優先の快適な空間を両立させようとしています。
・自動運転シャトル「e-Palette(イーパレット)」: 人の移動だけでなく、移動するコンビニや移動診療所としても使われる自動運転の多目的車両が、街中を巡ります。
② テクノロジーが支える暮らし
・スマートホーム: 住民の家にはセンサーやAIが導入され、照明や空調を最適にコントロールしたり、住民の健康状態をモニタリングしてくれたりします。
・ロボットの活躍: 室内や屋外で、生活をサポートしてくれるロボット(例:ゴミ収集、高齢者支援)の検証が行われます。
・地下物流: 街の地下には物流専用のトンネルがあり、自動運転のロボットなどが荷物を運びます。これにより、地上の道路からトラックなどが消え、より安全で静かな街並みが実現します。
・デジタルツイン: 街のあらゆる情報(人や車の動き、エネルギー使用量など)をコンピューター上に再現(デジタルツイン)し、AIで街全体をリアルタイムで管理・最適化します。
③ 環境への配慮(サステナビリティ)
・クリーンエネルギー: 太陽光パネルや、トヨタが力を入れる「水素燃料電池技術」を活用し、街全体で二酸化炭素の排出を抑えるカーボンニュートラルを目指しています。
・木材の活用: 建物には日本の伝統的な木工技術や、環境に優しい木材を多く使用します。
3. ウーブン・シティの目的と未来
ウーブン・シティは、「永遠に未完成の街」とも言われています。これは、一度完成したら終わりではなく、住民の意見や実験の結果をもとに、常に進化し続ける街を目指しているからです。
最初はトヨタの社員やその家族、研究者など、360人程度が住み始め、将来的には2,000人規模に拡大する予定です。この実験都市での成果や知見は、将来、私たちが住む世界の都市開発にも応用されていくことが期待されています。ウーブン・シティは、単なるトヨタのプロジェクトではなく、「人々の可能性を広げ、幸せを量産する」ための未来社会のモデルケースなのです。
ウ、ウーヴン?????