助手席さんができること 運転手と一緒に、安全で快適なドライブをつくる方法

ドライブをしているとき、助手席で黙ってスマートフォンを操作している──なんてことありませんか? 実はその時間、ドライバーにとっては大切な命を預かる時間。だからこそ、助手席に乗るときはドライバーのサポート役として、楽しくて安全な時間を一緒につくっていきたいところ。そのための方法を紹介します。

助手席さんにできることってなんだろ〜

助手席さんはサポーター兼ナビゲーター

助手席さんとしてまず意識しておきたいのは、「運転時の判断は全面的にドライバーが行う」ということ。なので、ドライバーの集中や判断を妨げるような「指示」や「口出し」は、安全の面でも控えましょう。

その上で、ドライブがもっと快適に楽しくなるような、助手席さんならではのサポートがあります。

カーナビ・オーディオ操作はお任せ

お出かけに欠かせないカーナビですが、出発前に目的地の設定などを済ませられないケースも。カーナビ以外にも、必要に応じてオーディオやエアコンなどの操作を代行してあげると、ドライバーは大助かり。

なお、停車中にしか操作できないカーナビもありますが、車が止まっている状態でもドライバーは道路状況に気を配るので、そんなときはぜひ操作役をかって出てあげたいところです。

文字通りの“ナビ”役、視界の補助

ドライバーに対する口出しはNG……と言いましたが、道路状況によっては、助手席さんのサポートが大きな助けになります。

特に「見通しが悪く、かつ情報量の多い状況」では、積極的に視界を補助してあげると◎。たとえば狭い道から交通量の多い道路に出るときには、左側の視界を担当し、車が途切れるタイミングを知らせてあげることもできるはず。

ほかにも、行き違いの困難な山道の右カーブで対向車が来ていないか、あるいは左車線を走行中、先に路駐車がいないかなど、ドライバーとコミュニケーションを取りながら確認してあげるといいかもしれません。

チケットや小銭の管理

コインパーキングやETCが使えない有料道路など、チケットを受け取ったり小銭を出したりといった動作は、ドライバーにとって意外な手間。助手席さんがチケットを保管しておいたり、小銭を用意したりしてあげると、ドライバーの負担を軽減できます。

さらに、支払いの都度かかった費用を記録しておくことで、後の精算処理もスムーズになります。

小さな気遣いがドライバーの大きな助けに

周辺施設のチェックで話題も広がる

目的地へ向かう途中、食事や休憩など、どこかに立ち寄るなんてこともドライブには付き物。そんなときも助手席さんの出番です。スマートフォンなどで周辺情報を調べたり、率先して案内してあげたりすると、ドライバーは運転に集中しやすくなるだけでなく、移動中の話題も広がります。

ちなみに施設を選ぶときには、駐車場の有無を確認したり、進行方向の左側にある施設を優先したりと、車で入りやすい立地を案内してあげたら完璧です。

飲み物・ガムの提供、休憩の提案も

運転中は一瞬の操作ミスが重大な危険につながるため、ドライバーは望むタイミングで水分補給ができないことも。特にノンストップで運転が続く高速道路では、飲み物のフタを開けてあげたり、気分転換にガムやアメなどを勧めたりといった気遣いが嬉しいもの。

そしてドライバーが「疲れてそうだな」と感じたら、積極的に休憩を提案して、休みやすい環境をつくってあげることも大切です。

自分の休憩の要望は早めに申告

ドライバーを気遣うという意味では、助手席さん自身の休憩はお早めに。行楽シーズンの高速道路や、周辺施設の少ない山道など、ドライブ中はすぐにトイレまでたどり着けない状況も数多くあります。ほかにも、気分が優れない場合など、ギリギリまで我慢せず、早めに伝えてもらえるとドライバーも安心です。

助手席さんの役割は法律面でも

ドライバーの操作や視界を妨げる

ダッシュボードに足を置いてサイドミラーを見えにくくするなど、ドライバーの操作や視界を妨げる姿勢での乗車はNGです。マナーや安全面の問題だけではなく、ドライバー側が道路交通法違反に問われる可能性があります。

道交法では「乗車又は積載の方法」を定めており、ドライバーは操作や視界の妨げになる形で荷物や乗員を乗せてはならないとしています。同乗する際には自身の体がサイドミラーなどを塞がないよう配慮し、またシフトノブやサイドブレーキなどの操作の妨げになる位置に荷物を置くことも避けましょう。

ドアを開けるときには必ず周囲の安全確認を

車両への乗降時、「周りを見ずにドアを開ける」ことは絶対に避けましょう。たとえば路上に停車中の車両がドアを開け、後続車と接触した場合、ドアを開けた側の車両が概ね9割から10割の過失責任を負うことになります。

生じた損害・被害に対しては、ドアを開けた本人のほか、ドライバー側にも刑事上・民事上の責任が課されうるため、乗り降りするときには周囲への注意を忘れないようにしましょう。

危険運転の強要や容認

ドライバーに対して危険な運転を促したり、強要したりすることも、絶対にしてはいけません。たとえばドライバーが飲酒している状態であることを知りながら、運転を依頼したり、同乗したりすることは道交法違反にあたり、同乗者自身も処分の対象となります。

ドライバーと一緒に作る楽しい時間

ドライブは私たちを日常から連れ出し、知らなかった景色に出会わせてくれます。ただし、そのワクワク感はいつも「ドライバーの頑張り」があってこそ。

だからこそ助手席に乗るときは、ドライバーの負担を少しでも軽くしてあげたいところ。車をあまり運転しないから何をすればいいかわからないという人は、今回紹介した方法を試してみてください。

助手席さんの協力によって、より安全で快適で楽しいドライブができちゃいます。お互いが積極的にコミュニケーションを取りながら、最適で最高のドライブをお過ごしください!

  • Writing: 鹿間羊市

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