スズキ「スイフトスポーツ」試乗レビュー 後悔させない万能スポーツ車

こんにちは、ハマやんです。

スズキのハッチバック(跳ね上げ式のバックドア)型コンパクトカー「スイフト」のスポーツ版「スイフトスポーツ」。

ベースになっている「スイフト」が2023年12月に新型モデルに切り替わったのに対し、「スイフトスポーツ」は引き続き先代の2017年モデルが継続販売されています。

その諸性能やスポーツ性は一体どんなものか? 今回は、2WD・6MT(2輪駆動、6段変速マニュアル車)に試乗して確かめてみました。

新型「スイフトスポーツ」がいつ発表されるかも気になるね

古さを感じさせないコンパクト&スポーティな外観

まずは「スイフトスポーツ」を新型「スイフト」と並べたのがこちら。

スイフトスポーツ[1]
(左)2017年から継続販売されている「スイフトスポーツ」 (右)2023年に発売された新型「スイフト」

約7年前に発表されたモデルといえど、さほど古さは感じさせてはいません。また、試乗車が鮮烈なイエローカラーに塗られていたこともあり、“コンパクトでスポーツ性能の高いクルマ”というイメージが、強くにじみ出ていました

フェンダー(タイヤを覆っている泥除け)が張り出し、タイヤが四隅に踏ん張っているかのようなプロポーション、前方にせり出したフロントノーズ(クルマの先端部分)など、外観にはスポーツ車らしさを演出する処理が施されています。

走行性能の高さや爽快感のある走り味を予感させる、好デザインだと思いました。

時代は感じるが、スポーツ心を掻き立てる内装

一方、内装のデザインに関しては、その時代性を感じさせるものでした。

スイフトスポーツ[2]

円形メーターやインフォメーションディスプレイ(燃費や走行に関する情報を表示するディスプレイ)の配置/サイズ、ベンチレーション(ダッシュボードに風の吹き出し口がある空調)のルーバー(風向きを調整する羽板)のデザインなど、少し昔のクルマという感じは拭えません。

しかし、スポーツ性という観点では、メーターの視認性や表示内容、操作系の操作しやすさなど、よくできたもの。スポーツ心を掻き立てるデザインだと感じました。

後述するように、この「スイフトスポーツ」はとても走りやすいクルマに仕上がっていたのですが、その理由のひとつには、視認系・操作系の見やすさ/扱いやすさもあるのではないかと思いました。

「スイフトスポーツ」の大型2連メーターは、近年の液晶大型メーターパネルを見慣れてしまうと、いかにも少し昔のクルマ然とはしています。しかし、その懐かしさも含めて、スポーツ車らしさあふれる雰囲気に浸れました。

トルクフルなエンジンと扱いやすいトランスミッション・クラッチ

今回「スイフトスポーツ」に試乗してみて最も驚いたのは、「マニュアル車なのに街中でとても運転しやすく、しかも速い」という点でした。

「スイフトスポーツ 2WD・6MT」は、4気筒1.4Lターボエンジンに6速マニュアルトランスミッション(変速機)と、一見運転に神経を使いそう(※)なスペック。

(※)昔はターボエンジンでも、低速域のトルク(エンジンがタイヤを回す力)が弱くスムーズに発進しにくいものがありました。またMT車でも、クラッチの繋ぎがわかりにくいものや、シフトレバーの操作感や減速比によって運転しにくいものもありました。

しかし、乗ってみないとわからないもの。低速域からトルクフルで扱いやすいエンジン、ギアレシオ(歯車比)が適切かつ操作感も好ましい変速機構、そして繋がりがとても分かりやすく扱いやすいクラッチの組み合わせによって、マニュアル車でもまったく気遣うことなく、街中を試乗できました。

「これなら6MTでも十分、初めてのクルマとして乗れる」「これ一台で万能に使えそう」という感想が頭に浮かびました。

スイフトスポーツ[3]

1.4Lターボエンジンの動力性能は、ビュンビュンと高回転まで回すというより、力感ある加減速を楽しむ方が向いていそうです。

エンジンの特性にピッタリのトランスミッションが組み合わされているため、大変小気味よい運転体感でした。

固めだが、しっかり角の取れた軽い感じの乗心地

「スイフトスポーツ」の最大の強みは、スポーツハッチバックとしての性能の高さ。

そのため、足回り(タイヤ周辺)のセッティングはある程度硬めでした。

路面の凸凹や継ぎ目については、その存在がシッカリ伝わってきます。

スイフトスポーツ[4]

ただ、角がしっかり取れたような軽い衝撃として伝わってくるので、さほど乗り心地の硬さは気になりませんでした(余談ですが、同時に乗った新型「スイフト」の方が路面からの突き上げはキツかったです)

乗心地も動力性能面とまったく同じ感想で、「様々な用途に使えそうな一台」という気がしました。

剛性感あり ステアリングのフィールも自然で好ましい

街中を数キロ試乗したため、曲がりの性能に関しては、さほど体感できませんでした。

しかし街角を曲がったり、直進時に左右にステアリング(ハンドル)を振ってみたりしての感覚からすると、操舵感は素直でスムーズなものだと思われます。

またボディの剛性感は、軽量(970kg)にも関わらずシッカリしたもの。脚回りやクルマの動きを余裕もって受け止めているような感じがありました。

スズキ「スイフトスポーツ」ハマやんの評価

・よくできたトランスミッションとクラッチを使って操る、とても自然で乗りやすい走り味。「スイフトスポーツ」の加減速の感覚はなかなか他では得られない。
・ボディ剛性感や乗心地、運動性能もスポーツハッチバックとして大変良好。
・本当に良くできたスポーツハッチバック。これで220万円は格安だと思う。


ハマやん
ハマやんです。クルマ試乗のプロです。

Q1.乗る前の期待値に対してどうだった? 

評価S:走り味・スポーツ性など、期待を大きく上回った。

Q2:乗った後、また乗りたくなった?

評価A:もっと色々な路で乗ってみたい。

(※)S、A、B、C、Dの5段階評価。Sが最高評価。Dが最低評価。

試乗車:スズキ スイフトスポーツ2WD 6MT

車両価格:¥2,217,600(全方位モニター用カメラパッケージ装着車)

全長x全幅x全高・WB・車重:3890mmx1735mmx1500mm・2450mm・970kg

K14Cターボエンジン 1371cc 140PS/5500rpm,230Nm/2500-3500rpm

6MT,FWD,WLTC:17.6km/L

サスペンション前/後:ストラット/トーションビーム,

タイヤ:195/45R17

  • Writing: ハマやん

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