「VOLVO EX30」試乗レビュー 超“手の内感”と“クラスレス感”がある、VOLVO史上最小の電動SUV

こんにちは。元トヨタの企画・ハマやんです。

スウェーデン発祥の自動車メーカー・VOLVO史上最小の電動SUV(スポーツ用多目的車)に試乗してきました。

バッテリー式電気自動車(BEV)専用のプラットフォーム(車台。ボディや内装などを除いた、クルマの骨格部分にあたる)を使用したVOLVO「EX30」

そのクルマづくりや特徴はどんなものか? 早速見ていきましょう。

VOLVOが初めてゼロから設計したバッテリー式電気自動車。お手並み拝見だわ。

何気ない感じなのになぜか魅力的 シンプルな内外装

販売店のショールームで初めて対面した「EX30」。内外装ともにシンプルで何気ない雰囲気なのに、どこか魅力的に映ります。

VOLVO「EX30」-[1]

フロント・サイド・リア(後方)ともにシンプルかつ特徴あるデザインで、カジュアルさや新しさが表現されているように思いました。

「EX30」のサイズは、バッテリー式電気自動車の中では全長が日産リーフ(4480mm)やBYD Dolphin(4290mm)より短く4235mmとコンパクトです。

車種|全長|全幅|全高|ホイールベース(すべてmm)
VOLVO EX30|4235|1835|1550|2650
BYD Dolphin|4290|1770|1550|2700
日産リーフ|4480|1790|1560|2700

インテリアも大変シンプル。カジュアルなトーンなのですが、表皮素材の使い方や色のトーンなどが良く練られています。居心地も良さそうです。

公式サイト(外部リンク)によると、再生プラスチックなど、リサイクル素材を多用したインテリアとのこと。そうしたサスティナブルの思想も、「EX30」のデザイン要素として重要な部分を占めているのかもしれません。

VOLVO「EX30」-[2]

全体には何気げない感じなのですが、実はこのクルマのデザインは、良く考えて練りこまれているのではないか?……そう思いました。

穏やかでしっかりした動力性能

VOLVOのバッテリー電気自動車では、以前「C40 Recharge」に乗った事があります。その時は、普段は大人しいのにアクセルを踏み込んだ際には強力な加速力があるという二面性が印象に残りました。

一方この「EX30」は「C40」と較べると、どちらかというと穏やかで、静か&スムーズな走りが特徴だと言えそうです(今回試乗した車種が、シングルモーターの後輪駆動モデルということもあるのでしょうか?)。

VOLVO「EX30」-[3]
操作系は、ステアリング(ハンドル)周辺とディスプレイに集約されシンプルに
VOLVO「EX30」-[4]

最高出力・200kW(272ps)、最大トルク343Nm(35.0kgm)を発揮するモーターによる街中での動力性能レベル自体は充分以上。

車両の後部にエンジンを搭載した後輪駆動モデル(RR方式)によるところもあるかもしれませんが、加減速の感覚もしっかりしたものがあり、リズミカルで良い感じの走りを味わうことができました。

なお、「EX30」の0-100km/h加速(静止した状態から時速100kmに達するまでにかかる時間)は5.3秒と公表されています。

後輪駆動のため?スムーズでナチュラルなステアリングフィール

また、ステアリングフィール(操舵感)がとても自然で、気持ちよく操舵することができました。

ハンドルはやや四角くなっている異形のものですが、それによる不自然さは感じられませんでした。

街中の車線変更・交差点の曲がりなどでは、大変スムーズにクルマを動かせました。

少し硬めだが、良好な乗心地。とても20インチ装着車とは思えない

今回の試乗車はオプションの20インチタイヤ(標準装備は19インチ)装着車でした。

乗心地は少し硬めのセッティングではありますが、“しっかりさ”が感じられる良好なレベルでまとめられていました。

試乗ルートにある舗装の凸凹や不整路面もうまくこなし、雑味のない乗心地でした。

VOLVO「EX30」-[5]

運転していて“本当にコンパクト” 超・手の内感あり

「EX30」に乗ってみて最も印象的だったのは、その“手の内感”。実際のサイズよりもさらにコンパクトなクルマに乗っている感覚で運転できました。街中走行で、とても扱い易く、取り回ししやすいクルマだと思います。

その理由は、走り味がしっかりしていることに加えて、インテリアデザインやクルマの見切り・視界等が良くできているためではないでしょうか。

格下感の全くない“クラスレス商品”

VOLVOの「EX30」は、これまでの「C40」や「XC40 Recharge」よりも小さなクラスの商品として投入されたため、乗るまでは正直「40系より下のクラスのクルマだから、格下感もあるクルマづくり」なのではないか?と想像していました。

しかし乗ってみて、専用プラットフォーム採用のためもあるのでしょうか、しっかりとした運転感覚や乗心地が実現されていました。

格下感の全くない、“クラスレス商品”になっていると感じられました。このサイズのバッテリー式電気自動車が他にあまりないという点も含めて、魅力的なクルマに仕上がっていると思います。

VOLVO「EX30」-[6]

VOLVO 「EX30」ハマやんの評価

総評:全体に何げなさを感じさせるが、何故か魅力的なクルマ
・何気ない感じだが、実は凝っていて魅力を感じさせる内外装
・単に静かでスムーズなだけでなく、しっかりと“手の内”感ある運転ができる
・史上最小のVOLVOだが、安っぽさやクラスを感じさせない

Q1.乗る前の期待値に対してどうだった? 
評価S:外観・内装の魅力に加えて、走り味の良さ、超・手の内感が期待値越え

Q2:乗った後、また乗りたくなった?
評価A:「なぜ惹かれるのか?」の理由を深く考えてみたい。

(※)S、A、B、C、Dの5段階評価。Sが最高評価。Dが最低評価。

試乗車:VOLVO EX30 ウルトラ シングルモーター エクステンディッドレンジ
車両価格:¥5,590,000 (20インチタイヤは+¥90,000)
主要スペック:
全長x全幅x全高・WB・車重;4235mmx1835mmx1550mm・2650mm・1790kg
モーター;272PS,343Nm, 駆動;RWD
リチウムイオンバッテリー;総電力量69kWh
サスペンション前/後;ストラット/マルチリンク
タイヤ前/後;245/40R20
WLTC;560km,143Wh/km

  • Writing: ハマやん

ハマやん初のS評価!

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