①りんごの聖地に来たら食べたい弘前のアップルパイ
今年の2月、青森県の弘前市は連日都心の若者たちで大賑わいでした。
新幹線の1日乗り放題チケットが販売され「東京から青森への日帰り旅行」がトレンドになっていたそうです。
そんな彼/彼女らに大人気だったのが弘前のアップルパイ!
実は、弘前市では15年前から、市内でアップルパイを取り扱うお店の情報を集めたマップが、駅や観光案内所にて無料で配布されています。その名も「弘前アップルパイガイドマップ」。
こうした取り組みがSNSを通じて反響を呼び、弘前市は「アップルパイのまち」として広く知られるようになりました。
「弘前アップルパイガイドマップ」ちなみに、現在マップに掲載されているのは約40店舗。
駅構内の店舗も複数ありますが、中にはとてもじゃないけど駅から歩いて行けないような距離のお店もあります。
今回はその中から、私がオススメするお店を紹介します。
……とその前に、本日の私の相棒はこちら!
相棒と共にクルマ必須の激アツスポットへ出発です!弘前駅城東口を出て徒歩2分のトヨタレンタリースさんでお借りした「ライズ」です。
一見小さい車体ですが中は広々、荷物もたくさん積載できて、力強い走りと低燃費を併せ持った、今流行りのコンパクトSUVです。
取り回しも小さくて運転もラクなので、初心者の方も運転しやすい1台です。
大正時代の洋館を利用した浪漫あふれる喫茶店
市役所前の駐車場にライズを停めて、辿り着いたのは「大正浪漫喫茶室」さん!
現存する洋館を利用した「大正浪漫喫茶室」大正3年(1919年)に弘前出身の実業家・藤田謙一が造らせた「藤田記念庭園」内に現存する洋館を、そのまま喫茶店として利用しているお店です。
弘前市は明治以降、学都として外国人教師を多数招いたことから、明治~大正期に多数の洋館が建築され、令和となった今も現存しています。
この大正浪漫喫茶室は、国の登録有形文化財に登録されており、当時の貴重な建築を見ながら楽しめる喫茶店として、県内外の人たちに親しまれています。
最近では弘前を舞台にしたアニメ『ふらいんぐうぃっち』内に登場したことから、ファンが聖地巡礼として訪れることも。
大正浪漫喫茶室では、「弘前アップルパイガイドマップ」に掲載されている店舗から提供されたアップルパイが販売されていて、その数なんと10種類以上! 実際に各店舗を回るとかなり大変だと思うので、ここで食べ比べをするのも良いと思います。
ちなみに私のオススメはパティシエ・クローヌさんのアップルパイ。
パティシエ・クローヌさんのアップルパイと一緒にザクザクとしたパイ生地の食感はもちろん、口に入れるだけでりんごの甘さが広がり、バターの香りもふわっと鼻を抜けます。量も少なすぎず多すぎずで満足感も◎。
観光で来た方が「せっかくりんごの聖地に来たんだから、こんなアップルパイが食べたい!」と想像するそのままの一品……だと私は思っています!
アップルパイマップには、甘さや酸味、シナモン感などがデータベースとして載っているので、ぜひお好きな一品を探してみてください!
②クルマが通れない国道(?!)こと階段国道
お次は、全国でも1箇所だけと言われている青森の激レアスポットをご案内。
その名も……階段国道!
なんと青森県には日本で唯一、階段がある国道が存在するのです。「国道の歩道部分が階段ってこと?」と思ったそこのあなた……甘いです。まだまだ青森をわかっていません。
実はこの国道、道路全体が階段でクルマがまったく通れないんです!
この「階段」は「国道339号線」の外ヶ浜町という場所にあるのですが、2022年の豪雨被害により電車が運休しており、公共交通機関によるアクセスはハードルが高いのが現状です。
というわけで、このスポットの観光も断然クルマがオススメです。“クルマが通れない国道”を見るために、クルマで現地まで向かいましょう!
弘前市からクルマで2時間、階段国道を“歩く”
弘前市から2時間ほど運転し、外ヶ浜町に到着。それではお待ちかねの階段国道をご覧あれ!
階段国道の案内看板
階段のある小道に見えますが、正真正銘の国道です本当に国道なのか……? と疑いたくなる、何の変哲もない階段ですがれっきとした国道です。
段数は362段、全長は388m、高低差は70m。歩くには結構覚悟が必要かもしれません。
ちなみにこの外ヶ浜町には、紅白歌合戦でも有名な石川さゆりさんの「津軽海峡・冬景色」の歌詞に登場する「竜飛岬(竜飛崎)」があり、階段国道からすぐ近くの場所に歌が流れるモニュメントが設置されています。
実際に冬に来るのは難易度の高い場所ですが、訪れた際にはぜひ「こごえそうなカモメを見つめ」ていただければ、さらに竜飛が楽しめると思います。
③青森県にはイエス・キリストの墓がある!
突然ですが、「青森県にはイエス・キリストの墓がある」と聞いたら、皆さんはどう思いますか?
「何それ、絶対ウソでしょ」と笑ってしまう人もいるかもしれません。しかし、事実として、青森県にはキリストの墓が存在します。三戸郡(さんのへぐん)にある新郷(しんごう)という人口2000人ほどの小さな村です。
よくあるB級スポットと一笑に付すのは簡単ですが、2004年にはイスラエルの駐日大使が新郷村を訪れ、友好の証しとして「キリスト様がその上を歩いた」とされる大変貴重な石を寄贈。真偽は定かではありませんが、世界各国に伝説が広まっているようです。
さて……そんな新郷村には駅がなく、キリスト様に関する施設の営業時間内に到着できるバスも1日1本のみ。しかもバス停から30分以上も歩くという、これまたアクセスの悪い場所となっています。
というわけで、今回もクルマで現地に向かいましょう!
シエンタと共にいざキリストの墓へ!相棒はこちらの「シエンタ」。東北新幹線の停車駅「八戸駅」でレンタルしました。
車内は広々、両側にスライドドアを備えていて乗り降りもラクラク。見た目も可愛くて、ファミリー層に人気の1台です。
盛られた土に十字架──キリスト様のお墓とご対面
八戸駅から40分ほどで新郷村に到着! 行政を含めた村全体から、キリスト様を猛プッシュしている雰囲気が伝わってきます!
ピラミッドもめちゃくちゃ気になりますちなみに言い忘れていましたが、キリスト様のお墓から数キロ先にはピラミッドもあります。どうなってるんだ新郷村。
そうこう考えているうちに到着しました。こちらがキリスト様のお墓です!
キリスト様のお墓なんと神々しいのでしょう……。キリスト教を象徴する十字架が、盛られた土の上に建てられています。
この墓地の奥には「キリストの里・伝承館」があり、新郷村に伝わるキリスト伝説が多数の文献やパネルと共に紹介されています。
たとえば、キリスト様はゴルゴダの丘での処刑寸前に、弟のイスキリ様が身代わりとなって入れ替わり、苦難の旅を経て日本へと辿り着いたそうです。青森県の新郷村を終の棲家とし、村の女性と結婚され、3人の娘と共に、106歳で天寿を全うされたとのことでした。
日本では布教を行うことは無かったそうですが、村の方々とも積極的に交流され、力仕事などの面では大いに期待されていたそうです。
当時の日本人にとって外国人は珍しく、村の人たちからは「天狗」と呼ばれ尊敬されていたとのこと。遠く離れた日本でも神格化されていたという意味では、やっぱりすごいぞキリスト様。
お土産屋「キリストっぷ」で聞くキリストと新郷村の話
お墓の隣には「キリストっぷ」というお土産屋さんがあります。営業時間は土日祝の10時~15時のみ。なお正しくは「10時から」ではなく「十字架ら」とのこと。
お土産屋さん「キリストっぷ」。営業時間は「10時から」ではなく「十字架ら」です!どこかで聞いたことがあるような店名ですが、お店の方いわく「完全オリジナル」だそうです。
店員さんは新郷村に住むおばあちゃんたちで、とても気さくに話をしてくれます。今回はお昼にうかがったのですが、具沢山のお味噌汁をごちそうして頂きました。
ちなみにキリスト様の伝説について店員さんに尋ねたところ、「本当かどうかは怪しいけれど、あなたみたいに遠く離れた場所に住むたくさんの人が、新郷村を訪れてくれている。だからキリスト様には感謝しているよ」とのこと。
これは伝承館の受付の方や、農作業をされていた方、郵便局で出会った方とお話しした際にも、皆さん同じようなことを口にされていました。
最初は「キリストの墓?! こいつはぶっとんだB級スポットだぜ! 突撃取材だ!」と意気込んでいましたが、村の人たちとお話するうちに、本来のキリスト教とはちょっと違うけれど、村民の皆さんがキリスト様を大好きで、温かく緩やかな時間が流れている──そんな新郷村の魅力に気がつき、ほっこりとした気持ちで帰路に着いていました。
きっとこれも、キリスト様による数多くの奇跡の一つなのでしょうか。そんな奇跡の体験を求めて、あなたも新郷村を訪れてみては?
④人生の記憶に残る素敵なスポット満載の青森県
ということで、「クルマで巡りたい青森県のスポット3選」を紹介させていただきました!
津軽平野にそびえる岩木山をバックに今回紹介した以外にも、青森県にはあなたの人生の記憶に残る素敵なスポットがたくさんあります! いつか機会がありましたら、ぜひ青森県をドライブしてみてください。
それではみんな、へばの!
関連リンク
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どんだんず~!