車を運転していると、なかなか開ける機会のない「ボンネット」。車の顔とも言えるこのフタの下には、車を動かすための重要な仕組みが詰まっています。
車の日常点検やメンテナンスのために、ボンネットの正しい開け方と、中にあるものを簡単に解説していきます!
ボンネットって何?
ボンネットとは、車の前方にある大きなフタのことです。多くの車では、その下にエンジンが格納されています。
<役割>
- 保護: エンジンやその他の重要な部品を雨風、汚れ、物理的な衝撃から守ります。
- 安全: 万が一歩行者と衝突した際に、衝撃を吸収し、被害を軽減するための構造になっています。
- デザイン: 車全体のデザインの一部として、見た目を決定づける重要な要素です。
走行中に不用意に開かないよう、ボンネットには二重のロックがかかっているのが一般的です。
ボンネットの開け方(3ステップ)
ボンネットを開ける手順は、基本的にどの国産車も似ています。
ステップ 1: 車内で最初のロックを解除する
- エンジンを切る: 安全のため、必ずエンジンを停止し、パーキングブレーキをかけましょう。
- レバーを探す: 運転席の足元(右側または左側)や、ダッシュボードの右下付近に、ボンネットの絵が描かれた「ボンネットオープナー」というレバーがあります。
- レバーを引く: このレバーを手前に「カチッ」と音がするまで引きます。
👉 レバーを引くと同時に、「ボンッ」という音がしてボンネットが少し浮き上がります。これが最初のロックが解除されたサインです。
※ 一部の輸入車や特殊な車種では、このレバーが助手席側のグローブボックス(収納)の中などに隠されていることもあります。見つからない場合は車の取扱説明書を確認しましょう。
ステップ 2: 半開きのボンネットのロックを解除する
- 車の前に回る: ボンネットが少し浮いた隙間に手を入れます。
- レバーを探す: 隙間に手を入れると、指で操作できる小さな解除レバー(セカンドロック)が見つかります。
※このレバーは、車の中央付近にあることが多いです。
- ロックを解除: このレバーを左右または上下に動かしながら、ボンネットを持ち上げると完全にロックが外れます。
ステップ 3: ステーで固定する
- ボンネットを持ち上げる: 手でボンネットをゆっくりと持ち上げます。ボンネットは意外と重いので注意しましょう。
- ステーを探す: ボンネットの裏側やエンジンルーム内に、ボンネットを支えるための「ステー」という金属の棒が付いています。(※一部の高級車や大型車には、自動でボンネットを支えるダンパーが付いており、その場合はステー操作は不要です。)
ステーを差し込む: ステーをフックから外し、車体側にある指定の穴(差し込み位置)に奥までしっかりと差し込んで固定します。これで、作業中にボンネットが突然落ちてくるのを防げます。
ボンネットの中身(初心者が見るべき場所)
ボンネットの中には複雑な機械が詰まっていますが、初心者の方が日常点検でチェックすべき場所は限られています。
部位の名称 | 役割とチェックポイント |
ウォッシャー液の注入口 | 窓をきれいにする液体を入れる場所。青いキャップやワイパーのイラストが目印。残量が少なくなったら補充します。 |
冷却水(クーラント)のタンク | エンジンの熱を冷ます液体が入っています。半透明の樹脂製タンクに**「MAX/MIN」**の線があり、量が適正か確認します。熱い状態で開けると危険です。 |
ブレーキフルードのタンク | ブレーキ操作を伝えるためのオイルが入っています。黄色や白色の小さなタンク。液量がMINを下回っていないかチェック。減りが早い場合はプロに相談が必要です。 |
バッテリー | エンジン始動や電装品に電気を供給します。大きな箱型の部品。端子が緩んでいないか、サビていないかを確認します。 |
エンジンオイルのレベルゲージ | エンジンオイルの量を確認するための色のついた輪っか状の取っ手が付いた棒。引き抜いてオイル量をチェックします。 |
⚠️ 注意点
エンジン停止直後のボンネット内部は、非常に高温になっています。特にラジエーターやエンジン本体など、熱い部分には絶対に触れないように注意しましょう。やけどの危険があります。
ボンネットの閉め方
開けたときと逆の順序で、確実にロックします。
- ステーを戻す: 固定していたステーを穴から外し、元のフックにしっかり戻します。
- ゆっくり降ろす: ボンネットを静かに、力を抜いてゆっくりと降ろしていきます。
- 最後のロック: ボンネットが車体に近づき、ロックがかかる手前の高さ(20cm〜30cm程度)から、重力に任せて「ガチャン」と音を立てて落とし、最後のロックをかけます。
- 最終確認: 閉めた後、ボンネットの先端を両手で軽く押してみて、浮き上がりがないか確認しましょう。完全にロックされていないと、走行中に開く危険があり非常に危険です。
日常の安全運転のために、ボンネットの中の基本的な場所を一度確認しておくと安心ですね。







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機械がいっぱいでむずかしそうね