どれを選ぶ?「エンジンオイル」の種類と価格帯を徹底解説!

エンジンオイル交換の重要性が分かったところで、次に悩むのが「どのオイルを選べばいいのか?」という問題です。ガソリンスタンドやカー用品店に行くと、「鉱物油」「全合成油」といった聞き慣れない言葉や、価格の大きな差に戸惑うかもしれません。
このコラムでは、エンジンオイルの「種類(ベースオイル)」と「粘度(硬さ)」、そしておおよその「価格帯」について、初心者の方にも分かりやすく解説します。

何をどうやって選んでいいのかわからないわ。

エンジンオイルの「ベースオイル」による3つの種類

エンジンオイルは、その成分となる「ベースオイル(基油)」によって大きく3種類に分類されます。価格や性能、耐久性が異なります。

種類

特徴

価格帯(1Lあたり)の目安

① 鉱物油(ミネラルオイル)

原油から精製したオイル。昔から使われている最もスタンダードで安価なオイル。劣化は早めだが、日常的な街乗りには十分。

500円 〜 1,000円

② 部分合成油

鉱物油と合成油をブレンドしたもの。鉱物油よりも性能が高く、価格も中間。バランスの取れたオイル。

1,000円 〜 1,500円

③ 全合成油(フルシンセティック)

化学的に合成された高品質なオイル。高性能で熱に強く、耐久性や冷却性能に優れている。交換サイクルも長く設定できることが多い。

1,500円 〜 3,000円超

💡 初心者への選び方アドバイス
経済性を重視するなら: 鉱物油や部分合成油を、メーカー推奨の交換サイクルより少し早めに交換するのが経済的です。
車の性能を重視するなら: 全合成油を選ぶと、エンジンの保護性能が向上し、燃費が安定しやすい傾向があります。

エンジンオイルの「粘度(かたさ)」を表す表記

オイル缶には必ず「5W-30」や「0W-20」といった数字が書かれています。これはオイルの「粘度(ネバネバ度)」を表す国際的な規格です。

Wが付く数字(低温粘度)

  • 例:「5W」や「0W
  • WはWinter(冬)を意味し、「低い温度でのオイルの硬さ」を示します。
  • 数字が小さいほど、寒い日でもオイルが柔らかく、エンジンがかかりやすい(始動性が良い)ことを示します。(例:0Wの方が5Wより柔らかい)


    ハイフン後の数字(高温粘度)

  • 例:「-30」や「-40
  • 「エンジンが温まった状態でのオイルの硬さ」を示します。
  • 数字が大きいほど、高温下でもオイルが硬さを保ち、厚い油膜でエンジンを保護します。(例:40の方が30より硬い)
  • 最近の車は燃費を重視するため、**「0W-20」「5W-30」**といった柔らかいオイルが指定されていることが多いです。

⚠️ 重要!指定粘度を守る
オイルを選ぶ際は、必ず車の取扱説明書や給油口のフタの裏に書かれているメーカー指定の粘度を選びましょう。指定より硬すぎるオイル(例:0W-20指定なのに10W-40を入れる)を入れると、燃費が悪化したり、エンジンの動きが悪くなったりする可能性があります。

交換にかかる「トータルコスト」の目安

実際にオイル交換をする際の総費用は、「オイル代金」+「交換工賃」で決まります。

① オイル代金(4L〜5L使用の場合)
車種によって使用量は異なりますが、一般的な乗用車は4〜5リットル程度を使用します。

種類

1Lあたりの目安

4L使用時の目安(オイル代のみ)

鉱物油

500円〜1,000円

2,000円 〜 4,000円

部分合成油

1,000円〜1,500円

4,000円 〜 6,000円

全合成油

1,500円〜3,000円超

6,000円 〜 12,000円超

② 交換工賃(作業費用)
工賃は依頼する場所によって大きく異なります。

依頼先

工賃の目安

特徴

ディーラー

2,000円 〜 5,000円

純正オイルを使用。安心感が高い。

カー用品店

500円 〜 2,000円

オイル会員制度などを利用すると工賃が無料になることがある。

ガソリンスタンド

1,000円 〜 3,000円

給油ついでに手軽に交換できる。

整備工場

2,000円 〜 4,000円

車の状態を総合的に相談できる。

💡 オイルフィルター(エレメント)の追加費用
オイル交換2回に1回はフィルターも交換が必要です。フィルター本体代(1,000円〜2,500円)と工賃(500円〜1,500円)が追加でかかると想定しておきましょう。

まとめ:オイル選びは「指定粘度」と「予算」で決める

初心者の方がオイルを選ぶ際のポイントはシンプルです。

  1. 【最優先】 まず、メーカー指定の粘度(例:0W-20)を確認する。
  2. 【耐久性・予算】 次に、「ベースオイル」を予算や走行環境に合わせて選ぶ。

特にシビアコンディション(チョイ乗りが多いなど)で車を使用する場合は、耐久性の高い「全合成油」を選び、早めの交換サイクルを守ることが、車の寿命を延ばす最も賢明な選択と言えます。

ご自身の車の取扱説明書を確認して、最適なオイルを選んでみてください。

  • Writing: のるウェイ! 編集部

    「のるウェイ」は、KINTOが運営する“クルマに詳しくない人”のためのWEBマガジン。編集部では、カーライフにまつわるモヤモヤやハテナを、初心者目線でていねいに掘り下げ、共感と発見のある読みものとして発信している。 コンテンツは、運転未経験からスタートする成長ストーリーや、教習所・ドライブ体験レポート、さらにはVTuberとのコラボ企画など多彩。ときには最新のコネクティッドカー技術もやさしく解説しながら、「運転って意外とおもしろいかも?」と思えるきっかけを届けている。 “気になる”から始まるカーライフの入口をつくるべく、編集部ではジャンルにとらわれず、等身大の視点でクルマと人との関係性を日々再発見している。

これなら自分でも選べそうね!

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