アニメに登場する車に乗りたい! アニメを観て運転したくなった自動車5選

「のるウェイ!」をお読みの皆さん、こんにちは。アニメライターの太田祥暉です。

普段、僕はアニメについて雑誌やWebメディアで記事を書いているのですが、そんなところへ「のるウェイ!」編集部から「アニメの中に登場する車の紹介記事を書いてほしい!」という依頼がありました。

──いや、僕は車がよくわからないのですけれど!

そもそも「クルマがわからない人のためのWEBマガジン」ですから、気持ちを理解いただける方もいらっしゃると思いますが、僕は幼少期こそミニカーを買い集めて車に関心があったものの、上京してからは一切運転もしていないペーパードライバー。

ですから、「車が登場するな〜」と思っても、どういう役割を果たすかはわからな……え? 車のスペックとかより、アニメを観ていて乗りたくなった車とかないかって? あ、そういう話だったらいけますいけます。

ということで、毎クール数十本はアニメを観ているライターが、映像を観て「乗りたい!」と思った車のお話をさせてください!

気になるわ

『SHIROBAKO』
車種:スズキ アルト

まずはアニメーション制作スタジオを舞台としたお仕事群像劇『SHIROBAKO』から。

ちょうど第1話がYouTubeで無料配信中ですが、そのアバン(※オープニング前)で制作進行である主人公の“みゃーもり”こと宮森あおいがスタジオの商用車に乗るのです。高校時代にこの作品を観たとき、乗りたい! という気持ちがありました。

アニメに詳しくない人にとっては「普通の商用車でしょう」となるのかもしれませんので少し解説。今でこそデジタル環境の整備で変わってきてはいますが、アニメは一話あたり数千枚の原画・動画をもとにつくられるものです。

現行のアルト。宮森が乗っていたのは7代目と呼ばれるタイプの模様
現行のアルト。宮森が乗っていたのは7代目と呼ばれるタイプの模様/画像はスズキ公式サイトから

その原画や動画を描くアニメーターは必ずしもスタジオ所属ではなく、フリーランスとして自宅作業をしていたり、別のスタジオに席があったりするわけで。そこに素材を回収しにいくのが主人公・宮森あおいのお仕事でした。

つまり、この商用車は(第1話だとレースなんてしていますが)アニメーター周りの真っ最中。そんな彼女の乗る車に対して、アニメ好きとしては憧れがあったんですね。

『冴えない彼女の育てかた』
車種:ポルシェ 911GT3

続いて、オタク少年と冴えないクラスメイトの恋愛模様&クリエイター情熱物語『冴えない彼女の育てかた』から紅坂朱音の愛車を。上の予告映像の22〜23秒あたりに一瞬登場します。

紅坂朱音って誰やねんというと、主人公・安芸倫也の同人サークルからサブヒロインを引き抜いた売れっ子作家です。こう書くと諸悪の根源ですね(その通りなのですが)。

紅坂朱音の愛車といわれるポルシェ 911GT3。売れっ子作家ならではの高級車
紅坂朱音の愛車といわれるポルシェ 911GT3。売れっ子作家ならではの高級車/画像はポルシェ公式サイトから

そんな紅坂朱音は、愛車としてスポーツカーに乗っています。複数タイトルをヒットさせてメディアミックスまでされている売れっ子作家なのですから、スポーツカーも余裕で購入できるのです。そしてとても乗り回している。

やはり僕もライターの端くれ。紅坂朱音のようにスポーツカーを買えるほど成り上がりたいものです。ただ、紅坂朱音のように飲酒運転だけは絶対ダメだぞ。制した主人公の倫理くん、大正義。

『ゆるキャン△』
車種:日産 ラフェスタ

静岡県出身の民としては、『ゆるキャン△』も外せません。主人公・志摩リンの乗っているヤマハのビートにはじまり、『ゆるキャン△』は車やバイクの宝庫。ファンならば、誰しもビートに乗りたいと思ったことがあるはずです。

その中でも特に乗りたい! と思ったのが、野外活動サークルの顧問である鳥羽美波先生の車です。だって、Season2の伊豆キャンプ編で乗るから……。

劇中登場モデルとは異なりますが、野外活動サークルの顧問・鳥羽美波先生が乗るラフェスタ
劇中登場モデルとは異なりますが、野外活動サークルの顧問・鳥羽美波先生が乗るラフェスタ/画像は日産公式サイトから

大勢が乗せられる車内なこともあって、キャンプ用品を乗せたり、メンバーがいっぱいいたりしたとしても大丈夫。それをいつもはダメダメな大人である鳥羽先生(通称・グビ姉)が運転している様子に惹かれて……。

主人公たちが住んでいるのは山梨の富士山の裾野ですから、そこから伊豆まではまあまあある距離。それを難なく移動できるのは、この車が優れているから!?──と、ペーパードライバーながら感じました。

『すずめの戸締まり』
車種:オリジナル(ただしノベライズではBMWという記載が)

そんな『ゆるキャン△』の山梨〜伊豆間に比べて長距離移動をしたのが、新海誠監督の映画『すずめの戸締まり』で神木隆之介さんが声を担当する芹澤朋也が乗っていたコンバーチブルです。

年季も入っている中古のオープンカーですが、その魅力を加速させたのは昭和の名曲を数々聴いていた道中の出来事だったと思います。

芹澤朋也が乗っていたのは屋根が壊れたコンバーチブルでしたね。カッコいい……
芹澤朋也が乗っていたのは屋根が壊れたコンバーチブルでしたね。カッコいい……/画像はBMW公式サイトから

名曲を聴きながら、観たことのない景色を、年季の入った外国車で走る。いろんな小説や映画でも描かれていそうな様子は、それまで主人公の岩戸鈴芽が行なってきた様々な問題とこれから向かう壮絶な運命を考えるとなんと愛おしい時間だったことか。

そんな映画の緩急をつけるパートだったとともに、こんな旅をしてみたいな、と思わせる一シーンでした。

にしても、やっぱり芹澤はカッコいいよ……。

『MFゴースト』
車種:トヨタ 86GT

──とここまで、お仕事ものや青春もの、日常もの、SFの作中に登場する車(基本的に乗用車と呼ばれるもの)をメインに取り上げてきましたが、アニメを観て乗りたいと思ったものを取り上げるのであれば、『MFゴースト』は外すわけにはいきません。

『MFゴースト』とは、しげの秀一さんによる同名漫画を原作にしたアニメ。しげの秀一さん原作の『頭文字D』から繋がる世界観で、再び公道で自動車バトルが開幕する、という内容です。

そう、峠を攻めるお話です。峠、リアルではできなくとも、一回は攻めてみたいという気持ちが湧きませんか!?

カナタが乗っている86GTはカスタマイズされた特別仕様ですが、そのままでもカッコいいですね
カナタが乗っている86GTはカスタマイズされた特別仕様ですが、そのままでもカッコいいですね/画像はトヨタ公式サイトから

今回、主人公のカナタ(片桐夏向)が乗っているのはトヨタの86です(※『頭文字D』の藤原とうふ店仕様のAE86ではありません)。車に疎くなってしまった自分でも知っているスポーツカー。それで峠を攻める快感といったら!

もし乗れる機会があるのであれば、『頭文字D』『MFゴースト』よろしくユーロビートをかけることが必須。そして気分を上げて、栃木は日光・いろは坂に向かいたいものです。

あ、もちろん行動ですからドリフトは禁止です。フィクションとの混同は禁止ですよ。

アニメを観て「このキャラクターが乗ってる車に乗りたい!」もあり!

ということで5作品をピックアップしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

近年ではCG技術も向上したことやインターネット検索の発展によって、かなり現実のものに忠実なデザインをした車がアニメ本編に登場しています。

「この車はなんだったんだろう」とか「このキャラが乗っている車に乗りたい!」みたいな目線でアニメを観てみると、ちょっと面白い発見ができるかもしれません。

それだけでなく、車に対する新たなモチベーションも生まれるかもしれませんね。

  • Writing: 太田祥暉

ユーロビート聴きたくなってきた〜

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