長距離移動や旅行で欠かせない高速道路ですが、一般道とは速度域やルールが大きく異なり、初心者の方にとっては少し敷居が高く感じるかもしれません。特に、合流や料金所の通過は緊張するポイントです。
このコラムでは、高速道路を安全かつスムーズに利用するために必要な「事前の準備」「乗り方・降り方の手順」「ルート確認のコツ」を、初心者の方にも分かりやすいように徹底的に解説します。
高速道路に乗る前の「事前準備」
安全な高速走行は、出発前の準備から始まります。
✅ 1. ルート確認と休憩計画
- カーナビや地図アプリで確認: 目的地までのルートを事前に確認し、「インターチェンジ(IC)の名前」と「ジャンクション(JCT)の分岐方向」を覚えておきましょう。
- 休憩場所の確認: 2時間に1回の休憩を目安に、立ち寄るサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)を事前に決めておくと安心です。
✅ 2. 車の点検と給油
- 給油: 高速道路上のガソリンスタンドは数が少なく、価格も高い傾向があるため、出発前に必ず満タンにしておきましょう。
- タイヤと空気圧: 高速走行はタイヤへの負担が大きいため、異常がないか、空気圧が適正か確認します。
- ウォッシャー液: 飛び石などでフロントガラスが汚れた際にすぐ使えるよう、ウォッシャー液も満タンにしておきましょう。
✅ 3. 料金所の準備
- ETCカードの確認: ETCを利用する場合、カードが車載器に奥まで確実に差し込まれているか確認し、有効期限もチェックします。
- 現金の場合: 現金やクレジットカードをすぐに取り出せる場所に用意しておきましょう。
高速道路の「乗り方」(スムーズな本線合流術)
高速道路に乗る際、最も神経を使うのが「加速と合流」です。
ステップ 1:料金所(ETC/一般レーン)の通過
- ETCレーン: 時速20km以下の徐行で通過します。ゲートが開いたら、そのまま加速車線へ進みます。
- 一般レーン: 停車し、通行券を受け取るか、料金を支払います。受け取り・支払いが終わったら、加速車線へ進みます。
ステップ 2:加速車線での加速
- 十分な加速: 加速車線は、本線(高速道路)の流れと同じ速度(時速80km〜100km程度)になるまで、しっかりと加速するためのレーンです。本線に入るギリギリまで、ためらわずに加速しましょう。
- ミラーと目視で後方確認: 加速しながら、サイドミラーと目視(安全確認)で、本線を走行している車の位置と速度を確認します。
ステップ 3:本線への合流
- ウインカーを出す: 本線に入る少し手前で、合図としてウインカーを出します。
- 流れに乗る: 本線上の車との間に十分な車間距離があることを確認し、本線の流れを乱さないようスムーズに入ります。
- 合流の原則: 「本線の車が優先」です。もし、本線上の車が譲ってくれない場合は、加速車線が終わる手前でスピードを調整し、次のタイミングで合流します。
💡 コツ: 本線に進入する際、「合流する場所」を見るのではなく、「本線の遠く」を見て、車全体の流れを把握することが大切です。
高速道路の「降り方」(分岐と減速)
目的地に近づいたら、早めに準備を始めます。
ステップ 1:出口の予告標識を確認
- 早めの車線変更: 出口が近づくと、「〇〇IC 2km先」「1km先」「500m先」という予告標識が必ず出ます。
- 出口が右側か左側かを確認し、標識に従って早めに一番外側の車線(走行車線)へ車線変更を完了させましょう。ギリギリでの車線変更は非常に危険です。
ステップ 2:減速車線に入る
- 分岐: 出口(ランプ)に入る手前で、本線から離脱するための減速車線が出現します。
- 減速は車線に入ってから: 減速車線に入るまでは、本線の速度を維持します。本線上でブレーキをかけてしまうと、後続車との追突の原因になるため厳禁です。
- 減速車線に入ったら、標識に従って安全に減速しましょう。
ステップ 3:料金所の通過と一般道への合流
- 料金精算: ETC車載器または現金で料金を精算します。
- 一般道へ: 料金所を通過すると一般道へのランプが続きます。制限速度が急に下がるため、速度計をしっかりと確認し、一般道の流れに合わせた速度で合流しましょう。
💡 ジャンクション(JCT)の分岐:JCTは複数の高速道路が合流・分岐する場所です。出口と同様に、「方面」の標識をよく確認し、早めに指定された車線に入りましょう。
目的地へのルート確認とナビの活用術
初心者の方は、ナビゲーションを使いこなすことが安全運転に繋がります。
✅ 1. ナビの案内は「文字」と「音声」をセットで確認
ナビの音声案内は非常に便利ですが、地名を聞き逃すことがあります。音声が流れる前に、ナビ画面の文字で「次の分岐のインターチェンジ名」を確認する習慣をつけましょう。
✅ 2. 交通情報(VICS)の活用
カーナビやスマホアプリで表示されるリアルタイムの交通情報(渋滞、工事、事故情報など)は、渋滞を避けるための判断材料になります。
- 渋滞回避: 渋滞情報が出たら、すぐに次のICで降りて一般道へ迂回することも検討に入れましょう。
✅ 3. スマホアプリの併用
車のナビだけでなく、「Googleマップ」や「Yahoo!カーナビ」などのスマホアプリを併用するのも有効です。リアルタイムの情報が早く、一般道への迂回ルート提示などが得意な場合が多いです。
安全のための「高速道路の基本ルール」
高速道路は、以下の基本ルールを守れば安全です。
ルール | 概要 |
走行車線と追越車線 | 最も左側の車線(走行車線)を走り続けるのが原則。右側の車線(追越車線)は、追い越しを行うための一時的な車線です。追い越しが終わったらすぐに走行車線に戻りましょう。 |
車間距離 | 速度が速い分、車間距離は一般道より長く取ります。「時速と同じメートル数」を目安(例:時速100kmなら100m)に、前の車との安全な距離を保ちましょう。 |
最低速度 | 高速道路には「最低速度」(一般的に時速50km)が定められています。安全が確保されている限り、この速度を下回って走行してはいけません。(渋滞時は除く) |
高速道路は、一般道よりもルールはシンプルです。事前の準備と、常に周りの車の流れを確認する意識を持てば、誰でも快適に利用できます。









どの標識をみればいいんだー